2019.08 kafkanako企画 3人展 『 living will 』
2019年8月に当ギャラリーにてkafkanakoさん企画による3人展を開催致します。
作家、キュレーターとして近年意欲的に活動を続けるアーティスト kafkanako(カフカな子)が画家の岡部千晶さんと造形作家の黒田恵枝さんを招いて「生と死」について表現する展示会です。
儚く生き長らえることを考える夏の5日間をご高覧頂きたく存じます。
展示会情報
会期:2019/8/1(木)~8/5(月) ※5日間開催
時間:13:00~18:30(最終日は17:00まで)
会場:gallery hydrangea(東京 曳舟)
楽曲:小坂 透(https://ksk-03.wixsite.com/kosaka-to-ru)
入場無料
展示コンセプト
「夏は死のにおいが充満する季節だ」
陽炎のような朦朧とした意識、真夏の暑さによって病院特有のにおいが強まった病室で、私はそう思った。
癌に侵された母はモルヒネによって意識は朦朧としており、全く喋れず、触れた手を僅かに握り返す力もなかった。
まだ命は途絶えていないが、私はその時、母は「死んだ」と感じた。けれど、まだ、死んでいない。
だが、これは「生きている」のか?
医療の進化により死期を延ばすことが可能になったが、果たしてそれは本当に「生きている」と呼べるものなのだろうか?
現在は終末期に備え、どのような延命治療を受けるかあらかじめ記入しておくことが可能となっている。
それは”生前の意思”を意味する”living will(リビング・ウィル)”とも呼ばれている。
しかし、人の死の判断は、living willの決断は、結局のところ他者によって下される。
剥製やバイオアートは、動物や個人の生前の意思関係なく生み出されている。
それを悪いとは思わない。そこには敬意と愛情と探求と、作品を通じた多くの語りと投げかけが含まれており、美しさも存在する。
だが直接的な素材を使わず「生き長らえる」こと、「生と死」について、そして「生まれ変わる」ことを、生きている私たちの意思を表現することで、延命医療や再生医療が発展するなか、生と死の位置付けについて改めて考えてみたい。
今回の展示では、身体の変容や生き物の進化をテーマとし、変わらないものの中でぼんやり生きてる生き物たちを描く画家、岡部千晶。
使われなくなった衣類を皮膚のように扱い、縫うという行為によって日々を生きる中での感覚をかたちにするアーティスト、黒田恵枝に参加いただき、「創」という文字には「刃物による傷」という意味があり、創造には「想像」が不可欠という考えから、愛らしくやさしい、けれど不安定で不条理を孕んだ「傷」を見せることで、鑑賞者に世界を「創」り出させようとするアーティスト、kafkanako(カフカな子)がキュレーションを行う。
作家プロフィール
岡部 千晶(Chiaki OKABE)
画家
1991年10月11日 東京都出身
2017年 武蔵野美術大学大学院 美術専攻油絵コース修了
現在 東京都在住
個展
2013年 「キミを世界の葬列に誘う」(アートコンプレックスセンター)
2014年 「カオスの蝶が届くまで」(アートコンプレックスセンター)
「CURE」(アートコンプレックスセンター)
2017年 「Alternative Universe」(アートコンプレックスセンター)
2018年 「身体の変容」(JINEN GALLERY)
グループ展
2012年 「Do androids dream-Ⅸ -アンドロイドは夢を見るか-」(pepper's gallery )
「Neoteny」 (ギャラリーre:tail )
2013年 「ATCアート大賞展」 (アートコンプレックスセンター)
「若き葛藤展」 (青森県立美術館)
「半獣神展2013」 (月光荘画室1)
「story teller」 (アートコンプレックスセンター)
2014年 「ACT小品展」
2015年 「未来展」(日動画廊)
2017年 「シブヤスタイルvol.11」(西武渋谷店美術画廊)
アートフェア
2017年 「ART FORMOSA」(誠品行旅 台湾)
作品参考画像(岡部 千晶)
黒田 恵枝 (Kuroda Yoshie)
造形作家
使われなくなった衣類を素材とした作品を制作しています。
衣類とは、まるで皮膚のように人の一部であるものと捉えています。
身につける人と日常を共にし、身につける人と共にあらゆる出来事や思い出を経験し蓄積しているからです。
私は、服という役目を終えたものが素材に還り、ある種のお呪いのようなひと針ひと針によって、再び生まれ変わる過程に関心を持って制作しています。
本来、縫い目には呪力が宿るとされたように、縫うという行為によって日々を生きる中での感覚をかたちにすること。
それは私たち自身の存在を探ることであると考えます。
1987 福岡県生まれ
2010 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報芸術コース卒業。
現在、東京を拠点に活動中。
2016.2 個展「COVER」gallery元町 神奈川
2016.3 グループ展「AnimalWorld8」アートコンプレックスセンター 東京
2016.5 SICF17 スパイラルホール 東京
2016.7 THE blank GALLERY Summer Group Show2016 THE blank GALLERY 東京
2016.8 個展「もけもけもの」ギャラリー403 東京
2016.9 MONSTER Exhibition 2016 渋谷ヒカリエ 東京
2016.12 シブヤスタイルvol.10 西武渋谷店 東京
2016.12 バンド モノクロパンダ全国流通アルバム『ノスタルジー』挿入歌『ツキノクニ』 ミュージックビデオへの作品提供
2017.2 HAPTIC DESIGN AWARD 佳作 Fab Cafe 東京
2017.5 SICF18 審査委員栗栖良依賞 受賞 スパイラルホール 東京
2017.7 THE blank GALLERY Summer Group Show2017 THE blank GALLERY 東京
2017.11 シブヤスタイルvol.10 西武渋谷店 東京
2018.5 SICF18 Winners Exhibition スパイラルホール 東京
2018.6個展「FANTASTIC GRAVE」THE blank GALLERY 東京
作品参考画像(黒田 恵枝)
kafkanako(カフカな子)
Artist
2017年の1月に頭蓋骨に穴を開け、脳の手術をする。その後5年ぶりに制作を再開。
自身の経験から命について思考した作品を、技法や手法にとらわれることなく表現する。
作家活動のほか、キュレーションも行う。
[ statement ]
「創」という文字には「刃物による傷」という意味があります。
「創」とは「傷」です。
そして創造には「想像」が不可欠です。
私は私の致命傷を表すことで、あなたに傷を負わせたいのです。
[ Exhibition ]
□ solo exhibition
2011
「HOSTEL F」新宿眼科画廊 (Tokyo)
2017
「3cmの空虚論」新宿眼科画廊 (Tokyo)
2018
「ニーナ」新宿眼科画廊 (Tokyo)
「羊水で溺れる/棺桶で目覚める」ギャラリー懐美館 代官山 (Tokyo)
「blue blue blue」新宿眼科画廊 (Tokyo)
「HOSTEL F」Aquvii (Tokyo)
2019
「距離をおいて、やさしく僕を我慢して」Room_412 (Tokyo)
□ group exhibition
2011
「100 Artist Exhibition」OUCHI GALLERY (NY)
「Rufus Lin Gallery」 (Canada)
「OUTPUT FROM JAPAN」Crypt Gallery (London)
ヨーロッパを1か月間一人旅する。
「物語の森展」atelier bemstar (Tokyo)
「TORONTO ART FES.」DORADO GALLERY (Toronto)
「Chiyoda Art Festival 2011」3331 Arts Chiyoda (Tokyo)
「WONDER SEEDS2011」tokyo wonder site渋谷 (Tokyo)
2012
NYに1ヶ月間在住して制作。
「Emerging Contemporary Artists of Japan 2012」Gallery (NY)
「希薄化する食卓、満たされた嘘。」東京都現代美術館 Restaurant content (Tokyo)
2017
「手のアトリエ」GALLERY&CAFE TENT (Tokyo)
2018
「SICF19」青山spiral (Tokyo)
「innocent violence」ギャラリー懐美館 代官山 (Tokyo) / curation
「TENT博覧会」GALLELLRY+CAFE TENT (Tokyo)
「幻夜の国のアリス」カフェギャラリー 幻 (Tokyo)
「空白 competition #1」アトリエ空白 (Osaka)
2019
「narrative」(Room_412) / curation
「未完性のエンドロール」(新宿眼科画廊) / curation
[ Awards ]
2009「東京デザイナー学院 卒業制作」優秀賞
2009「Jimdo Web Design Contests」審査員賞
2011「WONDER SEEDS2011」入賞
作品参考画像(kafkanako)
楽曲アーティスト
小坂 透(KOSAKA TO-RU)
距離、齟齬、間接性などをテーマに制作を行なう。
少人数の参加者とルールを共有し鑑賞者に紛れながら行なうパフォーマンスや、低質な録音と映像を使用したインスタレーションのほか、音や詩をもとに絵画を描くなど、表現媒体を限定せず活動している。
以上、ご高覧の程よろしくお願い致します。
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