2022.09 三宅 由希子 個展『 樹海の中で 』

『 すべてあなたの内にある 』(2022)

 

2022年9月に当ギャラリーにて画家 三宅由希子さんの個展を開催致します。

 

今の世の中を樹海になぞらえ、そこに次々と浮かび上がる不安を描きます。

 

迷い込んだ鑑賞者はこの樹海からの出口を見失ってしまうかも知れません。

 

目を逸らすことなく不安と対峙した物語を是非ご高覧頂きたく存じます。

 


 

展示会情報

 

会期:2022.09.22(木) ~ 09.26(月) ※5日間の開催です

 

時間:13:00 ~ 18:30(最終日は17:00まで)

 

会場:gallery hydrangea(東京 曳舟) Access

 

音楽:yuriko imaoka(https://www.tunecore.co.jp/artists/yurikoimaoka

 

入場無料

 


 

展示コンセプト

 

「樹海」とは、「大海原が広がるかのごとく樹木が生い茂っている場所」を指す。青木ヶ原の樹海を思い浮かべるが、「ひとたび入ると出られない」という俗説があるように不気味な場所を連想させる。

作品「樹海に入る」は2012年に制作したものである。「樹海に入る」とは死を覚悟し樹海に自ら入るという意味だ。

当時の私は常に不安を抱え、落ち着かない毎日を過ごしていた。

そのせいか、孤独で寂しげな人物や鬱蒼とした森が作品によく登場する。また、酸素マスクをつけた女性や内臓の透けた人体なども描いている。画面にはいつも「不安」が漂い、それが制作テーマとなった。

私を悩ます「不安」はどこからきて、何に向いているのだろう。

おそらく私の中にある潜在的な「不安」が時代の不穏な空気とともに覆い被さっていたのだろう。まさにこの「不安」は今の世界を予言していた。

しかし、不安ながらこうも思っていた。

「自ら死を選ばずとも、時がたてば全ての人に死が訪れる。人は生まれた瞬間から死に向うのだ。今、この瞬間も死に向かって暗く道なき道を歩いている。金持ちや美人でも、家柄が良く頭が良くても最後は土に帰る」と。

我々は生まれた瞬間から死を意識しなくても、死に向かっているのである。生命の誕生はイコール死に向かうことであり、これを「樹海に入る」と表現した。

コロナ禍を境に私達の世界はすっかり変わってしまった。重くのしかかる得体の知れない不安はもう私だけが抱くものではなくなった。疫病、戦争、差別、不条理が世界中の人々を深い悲しみと不安に陥れている。

しかし、私は以前のように不安で押し殺される事は少なくなった。

どこか冷めた目で他岸から眺め、自分を大きなストーリーの一部とみなすようになった。

これは他人事、無関心という意味ではない。困難な時代に遭遇し、命は有限でない事をはっきりと自覚したからに他ならない。現実を冷静に直視し、取り巻く環境に惑わされなくなったという事だ。

我々は生まれ落ちた瞬間に鬱蒼とした森に放り込まれ、一心不乱に光の差す方へ歩くだけだと。そんな事を考える様になった。

こうした想いから今回の展覧会を「樹海の中で」とした。

すでに樹海に入ってしまった私たち

それでもひたすら光を求め、道なき道を歩む。冷めた目で世の中を見つつも、生に執着する。暗くうっそうとした森を歩むうちに、私たちはしだいに気づき始める。

差し込む光、木々の隙間から見える青空がいかに美しかったのかと。山から流れる小川のせせらぎに苔むした匂い、名も知らぬ草花や昆虫がそこはかとなく愛おしいということを。

そして人間とは、生とは今この瞬間にも過ぎ去ってしまうのだと気づくのである。

物質が満たされる時代には見つけることができなかった美や喜びをこの困難な時にして皮肉にも再発見するのだ。

我々は樹海に入ってしまった運命を受け入れざるを得ない。しかし今まで気づかなかった有限の美や純粋な心を私たちは獲得しようとしている。

樹海に入る以前の作品と入ってしまった後、つまり現実を直視している現在の作品を見ていただき、少しでも共感していただければ幸いです。

 


 

作家プロフィール

 

画家 三宅 由希子 / Yukiko Miyake

Twitter:@Yukikomiyake2

Instagram:@m.yu_k

 

私は広大な自然や未開の森、骨がむき出しの女性や臓器などの予測不可能な光景などをよく描く。それらの作品に「不安」が漂っているのは、私が見ているこの世が不安だらけであることを示している。

しかし、この不安は私だけのものではなくなった。今、世界は疫病、戦争、差別、病、不条理が蔓延し、この世は不安だらけとなってしまった。

なぜ、これまで不安を描き続けてきたのかを考えてみた。どれもが意図的に描いたのではなく、何かに描かされているようだった。

時代の空気を敏感に感じ、言葉で説明できない漠然とした何かを写し取る。ふとした瞬間に浮かぶ映像や沸き起こる不明瞭で混濁した感情を色や線によって具現化する。そうした繰り返しが絵画となっているのだろうと思う。

つまり私にとって描くという事は言いようのない複雑な感情や無意識下にある感性的芸術を取りこぼさず提示し、さらには未知の事柄までサインとして受ける啓示の役割もありそうだ。

とすると、近未来の世界も私の絵画を通してみることができるかもしれない。あたかもタロットカードを読み解くフォーチュンテイラーのように。


経歴

京都市生まれ

2005  神戸大学大学院人間行動・表現学専攻 造形表現論講座 卒業

2017  京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程油画領域 博士号取得


個展・グループ展

2003  兵庫県展佳作賞 7/26~8/16(原田の森ギャラリー/兵庫)

2004  兵庫県展大賞  8/14~9/4 (原田の森ギャラリー/兵庫)

2005  第13回 吉原治良賞展 1/10~1/28(大阪府立現代美術センター/大阪)

     個展 3/21~3/26(Gallery HOT/大阪)

2006  個展 6/26~7/8 (Gallery HOT/大阪)

2007  2007 昭和シェル美術賞展 11/21~12/2(代官山ヒルサイドフォーラム/東京)

2008  個展 3/3~3/15(Gallery HOT/大阪)

               第26回 上野の森美術館大賞展 4/17~4/28(上野の森美術館/東京)

               アクリル美術大賞展 6/15~6/22(原田の森ギャラリー/兵庫)

               昭和シェル美術賞展 11/12~11/24(代官山ヒルサイドフォーラム/東京)

2010  京都市立芸大学内展 INTERIM SHOW 2/10~2/14 (京都市立芸術大学/京都)

2012  New Contemporaries 3/3~3/25(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA/京都)

2014  京都市立芸術大学 学内展(京都市立大学/京都)

2015  2015京展 5/26~6/11(京都市美術館/京都)

               神戸アートマルシェ 9/25~9/27(メリケンパークホテル/兵庫)

2016  個展10/1~10/31(ギャラリー ルンパルンパ/金沢)

               The artfair plus ultra ジ・アートフェア・プリュスーウルトラ 12/17~12/2(スパイラルガーデン/東京)

2017  公募グループ展『怪談』 2/4~2/8(sunabaギャラリー/大阪)

     2016京展 3/7~3/23(京都市美術館/京都)

     ACT ART COM 2017-Muse. AAC Muse 6/22~6/25(アートコンプレックス・センター/東京)

     公募グループ展『人工楽園』 9/30~10/11(sunabaギャラリー/大阪)

2018  公募グループ展『みだれ髪』 4/21~5/2(sunabaギャラリー/大阪)

     池袋アートギャザリング 5/17~5/23(東京芸術劇場/東京)

     個展「フォーチュン・テリング」12/1~12/12(sunabaギャラリー/大阪)

2019  グループ展『sm;)ey.スマイリー』 1/29~2/2(Pleiades Gallery/ニューヨーク)

               SICF20 spiral independent createors fwstival 5/5~5/6(スパイラルホール/東京)

     グループ展 VIEWs 5/13~5/18 (GALLERY ART POINT/東京)

     第2回公募アートハウスおやべ 現代造形展 4/20~5/26(アートハウスおやべ/富山)

     グループ展point05『美術とことば』 5/25~6/5(sunabaギャラリー/大阪)

     新人作家公募展 AFAF AWARDS 2019 9/5~9/10(福岡アジア美術館/福岡)

2020  CROSS OVER JAPANESE ART COLLECTIVE vol.24 8/17~22(SWAY Gallery London/ロンドン)

               -コレクター山本冬彦が選ぶ若手作家展― INTRO9 9/29~10/11(The Artcomplex Center of tokyo/東京)

     KUNSTNERNES EFTERÅRSUDSTILLING 2020 11/22~12/13(Den Frie Udstilling,/デンマーク、コペンハーゲン)

2021  CROSS OVER JAPANESE ART COLLECTIVE vol.33 8/17~31(Yao Alternative Space /台湾)

2022  Gate Art Competition 1/25~3/6


受賞歴

2003  兵庫県展佳作賞

2004  兵庫県展大賞

2008  2008 昭和シェル美術賞展 準グランプリ

2015  京展 市長賞

2022  Gate Art Competitionクリエイティブ賞


パブリックコレクション

昭和シェル石油株式会社


出版

画集 5ARTIST 5WOMEN 5VIEW 


記事等

2004  神戸新聞 13面 県展記事 2004年8月13日版

2007  シェル美術賞展2007 展覧会冊子 審査員概評

               芸術新潮 作品講評 掲載 2007年12月号平成19年12月

2008  シェル美術賞展2008展覧会冊子 審査員概評(p15 )

               神戸新聞 21面 シェル美術賞記事 2008年11月26日 判

               美術手帖 2008年12月(p308)

2011  Artscape アートスケープ 2011年3月15日号 

               京都市立芸術大学作品展(学内展)中井康之(国立国際美術館)                                             https://artscape.jp/report/curator/1231226_1634.html

2018  New contenmporaries 図録 (p46~49)

2019       第2回公募 現代造形展 展覧会冊子(p12)


以上


『 梨女 』(2012)

  


 

楽曲アーティスト

 

作曲家 yuriko imaoka

 

2019年より活動開始 。

アンビエントやシンセサイザー、実験的でノイジーな音を軸に 浮遊感のあるメロディーの歌声が印象的な作品を作る。 

ライブ、楽曲提供、編曲等、多方面に活動している。

 

会場にて本展に合わせてセレクションした楽曲作品を展示致します。

 

以上、

ご来廊を何卒宜しくお願い申し上げます。

 

gallery hydrangea(ギャラリー ハイドランジア)

新着情報をお届け致します。