2021.09 萩原 和奈可 個展『 蔑された小さな命 』

「蔑されたもの達」(2021)


2021年9月に当ギャラリーにて日本画家 萩原 和奈可さんの個展を開催致します。

 

蚊や蠅や蛆など世の中には忌み嫌われる者たちが存在します。

 

しかし彼女の絵の中では彼らはヒーローとなる資格を得て誇らしげに生きています。

 

蔑(なみ)されたもの達が強く生きる物語を是非ご高覧頂きたく存じます。

 


 

展示会情報

 

会期:2021.09.16(木) ~ 09.26(日) ※定休日:火、水

 

時間:13:00 ~ 18:30(最終日は17:00まで)

 

会場:gallery hydrangea(東京 曳舟) Access


音楽:Adrian von Ziegler(https://www.youtube.com/user/adrianvonziegler

 

入場無料

 


 

展示コンセプト

 

整備された清潔感ある都市。

それは見方を変えれば、人間にとって不快だと見做されたものたちが、徹底的に排除された無機質で清潔な環境です。

都市生活の裏側では、害虫や雑草、劣化、腐敗、死が、視界に入れたくないゴミとしてひとまとめに蔑されています。

都会から遠ざけられた、しかし確かに存在しているはかない小さな命の循環。

忌避された者たちの物語を、都会に届けるアートとして翻訳します。

 



作家プロフィール


日本画家  萩原 和奈可 / wanaka hagiwara

twitter:@xww9wwx

instagram:@wanaka.hagiwara

 

1.活動全体のテーマ

「嫌われ者をヒーローにする」

動植物の営みにより成り立つ自然の循環は精密かつ雄大であり、そこから美を見出す作家は数多くいます。

しかし、自然界に含まれるはずなのに作品対象から省かれている、ゴキブリやカラスなどの害虫害獣や、死と腐敗の過程といった表現は嫌われがちです。

私は、そんな嫌われ者たちも等しく、美しさと重要さがあると捉えています。 嫌われ者が毒々しく、恐ろしく、刺激的な、ある種の悪役として切り出されることは多々ありますが、あくまで一面でしかないと考えます。

自然界の一部として、分解者などの役割として、一個の生物として、「愛すべきヒーロー」としての魅力を伝えるべく、より広く伝わる形で翻訳することをテーマとしています。

翻訳に重要な事は、伝えたいエッセンスを抽出することです。

嫌われ者たちを写真や写実などの直接的な方法で表現すると、刺激が強く、人を選ぶ作品になりがちです。

その為、嫌われ者たちの持つヒーローとしての魅力のみを表現することができるアプローチが必要です。

そういった点で、日本画の画材は私に最適でした。

墨を用いてリアリティを保たせつつ、珈琲の濃淡表現で、造形はそのままに神秘性を持たせることができます。

加えて、方解末による立体表現を用いたシルエット、金箔銀箔による金属光沢のグラデーション、銀箔の酸化によるエイジングなどの手法です。

デジタルが全盛期の中で、あえて古くからの画材を発展させ、ディスプレイ越しには体験できない「視点で見え方の変わる絵」により、印象を強くします。

 

2.制作の動機

「嫌われ者たちにもっと関心を持ってほしい」

生き物の死骸と、そこに集まる蛆や鳥などの分解者。

学生時代、初めてみた光景に美しさを感じ、一日かけて観察したことが、嫌われ者たちに意識を向けるようになったきっかけです。

意識を向けて気づいたことは、彼らに対する世間の嫌悪感の根深さでした。

自然界のサイクルにおいて重要な役割を担う生き物者たちがいる一方で、人間は「不快だから」という理由で排除してしまうことが多くあります。

人間の生活のために邪魔な生き物が排除されることは仕方がないと理物出来るものの、何も知らないまま嫌い、無差別に殺してはほしくないのです。

人間が作った「害虫、害獣、雑草」というレッテルのついた嫌われ者たちにも、自然界で役割があり、生態があり、面白い面やかわいい面があります。

だからこそ、彼らをヒーローとして魅力を伝える人がいてもいい。

そう考えています。

 

3.今後の目標

「間口を広げる」

今後も定期的に展示会を開催することに加え、間口を広げる為に作品のシリーズ化を見込んでいます。

現在の作品ではジャンルの異なるアプローチを利用しており、それぞれで表現できる内容が異なっております。

そこで各アプローチの特色を、より正確かつ明確にシリーズとして定義することで、表現としての先鋭化を図ります。

 


経歴

2014 全国美術大学奨学日本画展 / 石正美術館(島根)

2015 蟲展4 / The Artcomplex Center of Tokyo(東京)

2017 ヴァニラ画廊大賞展 / ヴァニラ画廊(東京)

2017 嫌われしものの美 / ROADSIDERS'weekly 7月26日Vol.269 配信

2018 彩脈 / ガレリア・グラフィカbis(東京)

2018 個展 HATED PERSON~嫌われものを描く~ / ヴァニラ画廊(東京)

2019 Small Works 2019 / ガレリア・グラフィカbis(東京)

2020 害蟲展 / ego Art & Entertainment Gallery(東京)

2021 昆虫美展 / ego Art & Entertainment Gallery(東京)


「拝」(2020)


 


 

楽曲アーティスト


作曲家  Adrian von Ziegler  /  アドリアン・フォン・ジーグラー


Adrian von Zieglerは、チューリッヒ出身のスイスの作曲家です。

彼は動画共有ウェブサイトYouTubeで人気を博し、彼のチャンネルは100万人以上のチャンネル登録者を獲得しています。

彼は主に非声楽作品を作曲しており、歌手が尊敬する女性作曲家のエンヤでない限り、彼の曲に歌詞を追加したくないと述べています。


ウィキペディアより抜粋



以上

 

ご高覧の程、何卒宜しくお願い致します。

 


gallery hydrangea(ギャラリー ハイドランジア)

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